田中 15年後に名古屋に中央リニアがきます。名駅はターミナルになります。そのときは東京と名古屋は双子都市になっていておかしくないと思います。つまり東京と名古屋を行き来しながら仕事をする人は珍しくなくなるはずです。これは東京と名古屋で日常的に頭脳の交換をするということです。まちがいなくそうなるでしょう。
そこで名駅を中心にして駅周辺を再開発することになります。笹島まで開発が進むでしょう。その隣にあるのが、中川運河の掘留なんです。
運河の先には、海が繋がっているわけですから運河沿いにみんなが集まれるように、整備できるといいと思うんです。これは、名古屋市にとって必ず重要な資産になるはずです。
運営者 それはよく分かりますが、それとアートの関係は?
田中 別にアートじゃなくてもいいんです。パフォーマンスでもなんでもいい。
そういうものを運河周辺に持ち込んで、みんなに「こういうところがあるんだよ」ということを知ってもらいたいと思うんです。そしてそれらを実際に行うために活動している人たちがいる。というのが肝心な点なんです。そこに国や行政が目をつけてくれれば、しめたものです。
運営者 なるほどー。
田中 そういうことをやっている人たちは名古屋にもたくさんいるんです。ちょっと前まではあまりなかったようなのですが、すごくそういう人たちが増えている。ナゴヤデザインウィークとか、アートフェアとか、名古屋コンテンポラリーアートマップとか。
そういうみんなの力を、行政のような何か別の力に結び付けたいと思っています。
運営者 ギャラリーをやっているということと、設計の仕事の間には何かシナジーがありますか?
田中 ギャラリーは私の奥さんがやっているのですが、いいアートを見ると感性が刺激されますよ。アートを見て、目にそのエキスもらって設計の仕事に役立てているという自覚はあります。
運営者 とりあえず中川運河キャナルアートは楽しみに見に行きたいと思います。
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