手塚 代表取締役名誉相談役
8月16日続き
いよいよ旅も終わりに近づき、今宵はサンフランシスコ市内で夕食。宿泊は明日の朝、早くに空港に向かう関係上、空港に比較的近い海岸のリゾート地、ハーフムーンベイに取ってある。
夕食の前にユニオンスクエアのメイシーズ・デパートで土産を買い、6時に夕食の予約を入れてあるCrustaceanレストランに向かう。シリコンバレー近郊に住んでいた友人から、このフレンチ風ベトナム料理屋のロースト・クラブとガーリック・ヌードルが最高と教えてもらい、足を運んだわけである。
ビルの上階にあるこのレッストランは、段差とガラスを多用していて、いかにもはやりそうな洋風の斬新な内装で、植民地衣装風の制服を着たウェイターがサービスしていた。
今回の旅行の最後の夜ということでまずシャンパンを入れて乾杯。名物のダンジネスクラブのローストとガーリックヌードルをメインに入れるのは決まっているとして、前菜に何皿かとることにした。シーフードのすり身の入った餃子、蟹肉を春巻の皮で包みあげたもの、そして蟹のコーンスープ。これはいずれもなかなか美味だった。蟹のコーンスープは、コーンの甘みと蟹の風味が生かされていてなめらかな舌ざわりだったが、アジア特有の香辛料ハッカクが使われていて、ちょっとくせがあり好き嫌いが分かれるだろう。
ワインはまだこれから1時間ほど運転してホテルに行かなければならないので、さすがに1本入れるのは控えてグラスで注文したが、この店ではなんとEstanciaのMeritage(赤)がグラス売りされている。それほど高いワインではないが、ボルドー風にかばるね・ソーヴィニオンとメルロー、カベルネ・フランをブレンドしてまろやかかつ深い味わいを出す事に成功した非常に良いワインで、品薄になりなかなか手に入らない。迷わず注文すると、小さなグラスに波なみと注いで持ってくるので、「申し訳ないけどもっと大きなグラスに移し替えて持ってきてくれない?」とたのみ、香りを楽しむ事にする。良い赤ワインは大きなグラスでのまないと、本当の美味しさは引き立たないものである。(うるさい客だと思っただろうが・・・)
メインの蟹はまるごと1杯供され、2人で1皿で丁度良いくらい大きく、オイル、スパイスににんにくが効いていてさすがに美味しい。ガーリックヌードルは、にんにくと甘辛い醤油でいためた太目の焼きソバという風情で、後を引く味がした。これにデザートのアアイスクリームの天ぷら(?)を取り、カリフォルニアの旅の最後の晩餐は終わった。
再び車に乗って一路南下、ハーフムーンベイのホテルについたのは9時を過ぎており、残念ながら美しいはずの海岸は見られなかった。ホテルはHalf Moon Lodge。AAAで4つ星にランクされるホテルで、ゴルフ場が併設されているリゾートである。ここでさきほど飲み足りなかったので、Vintage Innでチェックインした時に差し入れにもらい、ずっと持ち歩いてきたナパのシャルドネを冷やして寝酒に飲む。
翌朝7時に起き、ホテルでサービスされたペイストリーとコーヒーの朝食を軽く食べて出発。途中道路工事で渋滞してやきもきするが、結局空港まで約30分でつき、レンタカーを返却。日本人観光客でごった返す中、家内は帰国の全日空、筆者はシカゴに戻るユナイテッドにチェックインする。これで1週間に及ぶカリフォルニアの旅は終わりである。考えてみればよく飲んでよく食べた旅であったが、カリフォルニアには新鮮な食材、美味いワインと素晴らしい自然という三拍子が揃っている。車で田舎を動きまわれば、小さな知られざる歴史的ホテルも点在しており、更に旅に味わいを加えてくれるものだと実感させられる7日間であった。
費用
ホテル代(2人1部屋の総額)
l Pine Inn $192.50
l Vintage Inn $560.00(2泊)
l Eureka Inn $107.91
l Thatcher Inn $130.00
l Half Moon Bay Lodge $158.40
食事代(2人、ワイン、税、チップ料込み)
l Red Apple Cafe $17.00
l La Dolce Vita $102.00
l Merlot Bistro $28.10
l Domaine Chandon $264.00
l Terra $187.23
l The Moose Cafe $34.00
l The Rib Room $150.00
l Cafe waterfront $30.75
l Zinoユs Ristrante $25.03
l Crustacean $128.00
レンタカー $278.54
走行マイル 1058マイル