「復興予算流用問題」の仕掛け人は、実は…
桜内 逆に言うと、国民に義務を課し、国民の権利を制限するようなちゃんとした法律というのは、国会を通さければ成立することがあってはならないわけですが、そっちの方はほとんどが内閣提出なんです。
運営者 困ったもんです。
桜内 戦後70年近くたって、そうしたことを国会議員もほとんど自覚していなかったというのが現状です。
運営者 しかし国家予算というのは、国家の権能の中でも非常に大きなもので、政治的に最重要であって、その部分が忘れられていたというのは一体どういうことなんでしょう?
桜内 予算委員会で予算と全く関係のないことが審議されていることがよく批判を受けますよね。
運営者 あれば理屈としては、予算は全てに関係するし、予算委員会は主要閣僚がほとんど揃うので何を聞いても良いのだという話だと聞いています。
桜内 そうです、だから予算委員会が花形ということになっているのですが、しかし本来であれば予算委員会は予算案を審議すべきです。
運営者 そりゃそうですよね、委員会というのは本会議でできない審議をきちんと行うために設置されているわけですから。
桜内 それでね、福場さんという「週刊ポスト」の記者の人がいて、2012年の夏に復興予算流用問題について私のところに取材に来たりしてたんです。
それで、いいところに気がついたねと言って、予算書を開けて復興予算が北海道の一般道路の財源になっていたり、小笠原諸島の離島振興費とか沖縄の耐震工事なんかになっていることを教えてあげたんです。
彼女はこの報道で、「小学館ノンフィクション大賞」の優秀賞をもらったらしいんですけどね。
運営者 ええ、彼女は私の元部下でしてね、「岡本さんは偉そうなことを言っているけれど、"国ナビ"なんて知らないでしょう」と生意気なことを言うので、「"国ナビ"という名前をつけたのは私なんだが」と言ったら、びっくりしていた顔を覚えています(笑)
桜内 (笑) 全然関係のないところに復興予算が付いていて、しかもその財源は法人税や所得税の復興増税です。これはおかしいという話がそこから広がって大騒ぎになりました。