中国女性は「お前が一番よい女だ」では納得しない
エコノミスト
田代秀敏氏
運営者 うーん、どう理解すればよいのかわからないお話なのですが、そういう文化なんだろうなあということが一つと、何でそんなに女性が強いんですか?という疑問が浮かんできますよね。
田代 その点は謎なのですが、偶然の産物なのかなと思うんです。中国で、いろんな偶然の過程を経て、女性が徹底的に強いという文化が形成されてきたんだろうと思います。
だから中国の北京大学や精華大学といった一流大学の男子学生の夢は、欧米の金融機関の中国支店に勤めて高給をもらい、豪華マンションに住んで、超一流の腕前の料理人を雇い、ディナーのテーブルの向かい側に座っている女性は、日本人の山口百恵さんにそっくりの女性・・・というのが理想なんだそうです。
運営者 かなり歪んでると思いますよ(笑)。
田代 一番重要なのは、その理想の一番最後の項目ですよ。
日本の男性は浮気が奥さんや婚約者にばれた時に、「やっぱり、お前が一番いい女だ」と言うのが一番ですね。これで何とかなるかもしれません。
しかし、同じシテュエイションで、中国の女性に「お前が一番いい女だ」なんて言おうものなら、火に油を注ぐ結果になってしまいます。
「一番だ」というのは、他と比較した上で一番なわけですよね。
運営者 そうです。
田代 中国の女性は、他の女性と比較されること自体が、そもそも許せないんです。
運営者 絶対的な存在でなければならないということですね。
田代 だから中国の歌謡曲によく出てくるワンパターンのフレーズは、
[イ尓]是我的一切
つまり、「あなたは私の一切」。これです。これしかありません。こう言わないと、中華鍋でぶん殴られてしまうリスクが高まります(笑)。
だから中華思想というのは、「中国は世界のどの民族よりも素晴らしい」ということではないのです。「無条件に中国は素晴らしい」というのが、中華思想の根本なのです。
運営者 なるほど、とってもよく理解できました。
ただ、ぼくは中国の女性と付き合う自信もないし、中国自体と付き合う自信もだんだんなくなってきましたが・・・。