霍見教授
1月6日(月)
7時起床。パッキングをする。8時30分、荷物をおいて、ロビーに降りていく。NY市立大学の霍見芳浩先生がお待ちだ。ご挨拶申し上げて、ホテル1階のカフェに入る。耳障りな「オペラ座の怪人」の舞台のCDが店内に流れていて閉口する。
日本の現状を、経済、政治、行革の側面から意見交換する。現状認識は、全く一致していた。また霍見先生が大学で何を教えているのかも初めてうかがった。大学院で教えているのだそうだ。再会を約してお別れを申し上げる。レジでは、「部屋代につけておくか?」と聞かれたので「部屋番号1136」と答える。
そのまま外へ。ネクタイでも買ってやろうと思い「ヘルメス」を目指す。しかし場所の記憶が違っており、発見できない。10時、部屋に戻ってくると鍵が開かない。掃除のおばさんに「壊れている」というとフロントで新しいのをもらえと言う。フロントに行くと、コンピュータに入力し直して、また新しいのを2つくれた。部屋に戻ってスーツケースを転がしつつ、またフロントに降りてくる。チェックアウトすると、カフェの料金は明細についていない。ざまあみろ。
ホテルの前から運転手がターバンを巻いているタクシーに乗ってJFKへ。日本から持ってきた、ノースウエスト航空の「アップグレード」の券を出すと、満席だから、5分前まで搭乗口で待てと言われる。空港の売店で、おなじみのチョコレートと「オペラ座の怪人」のダイジェスト版CDを買ってしまう。くそっ、洗脳効果だ。自分の弱い側面を発見する。
12時、名前が呼び出され、無事にビジネスクラスに潜り込む。ラッキー。周りを見ると、満席だ。となりは東洋人だが、パスポートをのぞき見ると「中華人民共和国」と書いてある。NW17便はNY発東京経由香港行きなのである。薄いくちびるがいかにも酷薄そうな若手エリート官僚といったイメージの、神経質そうな人物だ。相手にしないに越したことはない。
12時15分離陸。機内では筒井康隆の『夢の木坂分岐点』を読んで過ごす。13時間後、飛行機は無事に成田に到着し、私の短い旅の長い報告は終わった。
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