美女と野獣
3時、駐車場から車を出す。14ドル。ダウンタウンの方へ、車を走らせる。途中で例のTHE NATIONAL DEBT CLOCKを見つけて撮影する。
執念。ブロードウエーをずーっと下って、マンハッタンの先端、バッテリーパークに車を止める。霧笛が盛んに響いている。自由の女神は霧の彼方だ。この辺が、ファイナンシャル・ディストリクト。細い道を挟んで、ビルが上に伸びているため、空が見えない。
ほんのちょっと歩いたところにある、両側にそびえるビルのスケールからすると「路地」としか思えない道が、ウォール街。昔のマンハッタンは、ここまでだったのか。オランダ人が、インディアンから28ドルで買ったという。証券取引所に詣でる。ここが世界の資本主義の中心地。日曜なので、人通りはさっぱりない。ワシントン像を横目でにらんで車に引き返す。途中で、今年の干支「牛」の躍動感のある像が道ばたでひとり、踏ん張っている。BULLは下から角で突き上げるが、BEARは手を振り下ろし襲いかかるので、株屋は雄牛にあやかろうということ。
車は迷走して、ブルックリン・バッテリー・トンネルでブルックリン側にわたってしまう。これでマンハッタンから車で外につながるルートをほぼ制圧したことになる。再び同じトンネルを通って、戻ってくる。ワールド・ファイナンシャル・センター、世界貿易センターを車内から見物して、パーク・アベニューを北上し、グランド・セントラル駅の2階を通って車はシェラトン・マンハッタンの前に乗り付けた。お世話になりました。S夫妻に深々と頭を下げ、別れを惜しむ。
5時、ホテルにチェックイン。9ドル払って、スーツケースを請け出す。部屋に入ってシャワーを浴び、着替えて6時、ホテルを出る。歩いてダフィ・スクエアに面したパレス劇場へ。ここも大きな劇場だ。しばらく待つと、演奏者の紹介があって照明が落ち、「美女と野獣」の上演が始まった。子供が多い。
これは東京でやっているのとほぼ同じ舞台なのだろう。映画とほとんど同じである。男性は野獣に感情移入し、女性はほぼ間違いなく美女に自分を擬すという、便利な筋立て。やっぱりディズニーの雰囲気があるが、大仕掛けな舞台装置や花火を多用した演出は見応えがある。最後に野獣が王子に変身するシーンでは、大きな拍手が上がっていた。
NYのジュリアーニ市長は警察出身のやり手で、警官を増員しただけでなく、42丁目に蟠踞していたポルノショップを強制的に排除して、街の浄化に成功した。NYの治安は急速に回復したという。市長は、パレードなどでも先頭に立つそうで、ガンの青島とはえらい違いである。いまこのポルノショップ跡には、ディズニーショップが立つ。ディズニーは、さらに周辺を買収して劇場を建て、「ライオン・キング」を上演する計画だそうだ。
お馴染みのカタルシスを体験しつつ劇場を出て、ブロードウエーに面したステーキ屋に入る。飽きずにTボーンステーキを頼む。まずまずいける。26ドル。ビルをまた横に移って、バージン・メガストアに入ってみた。バージンは世界各国の一等地に、巨大レコード店を展開している。地下2階のビデオ売場で、「レ・ミゼラブル」の演奏会形式のビデオを買う。19ドル。ビールを買ってホテルに帰ってくる。
12時就寝。