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 1997年 ぼくはこんな記事をつくってしまった


1997年1月号 「孫子」特集

 

社長が読み解く「ビジネスの鉄則」ここにあり

 村井勝(コンパック社長) 松尾雅彦(カルビー社長) 近藤修司(JMAC社長)

 

リーダーが座右に置く孫子の至言

 孫正義(ソフトバンク社長)他

 

営業幹部が実践する孫子の戦術

 小野憲(キャリアスタッフ社長)、小宮弘(オリンパス光学工業営業部長)、西村晃

 

新訳「ビジネス版・孫子の兵法」

 久保田正志(ジャーナリスト)

 

古今東西「戦史」の孫子

 武岡淳彦(兵法研究家)

「乱世の梟雄」曹操が不朽の戦略書から学んだもの 

 赤羽尭(作家)

夏頃、編集長がにこにこしながらやってきて「オカモチ『孫子』やってくんない?」とのたまったので、「孫子特集」をやることになってしまった。まず「孫子」を読むところから始める。で、企画を立てる。パシリが要るので、「新人を貸して欲しい」と頼む。パキパキっと仕事して「ハイ、出来上がり」。


2月号

こんな県知事は要らない!

 尾形聡彦(朝日新聞秋田支局記者)

依頼原稿・4月に秋田取材をしたときに会った朝日新聞の若手記者が、遂に秋田県知事を引きずりおろした。「ウチは地方で売れている雑誌だから、このネタは受けるはず」と睨む。支局長宛に原稿依頼を出してOKをもらい、原稿をもらう。

 

藤岡信勝インタビュー

インタビュー記事・4月には郷子ちゃんが入社してくるのに、未だに藤岡先生の所に挨拶に行かないというすごい編集部。さすがに「挨拶しなければ」ということになり、私はこの号は比較的余裕があったので志願してデスクと一緒に東大を訪ねる。メチャクチャ忙しそうで、研究室を引きも切らずに人が訪ね、電話がジャンジャン掛かってくるのに驚いて退散する。


3月号

 

〈シュミレーション・ノベル〉日本再建計画書

 水木楊(作家)

依頼原稿・96年末に市岡さんをお訪ねしたときに、「もう構造改革のためにやらなきゃいけない青写真って見えてるんだよね」という話になり、それを小説でやってみようということになった。しかし、青写真はできているのだが、問題はどう小説に仕立てるかだ。市岡さんと飯を食べながら、うんうん唸って考える。一晩潰して大蔵エリートが国家再建計画を書き、それが握りつぶされるという話の筋立てを思いついた。

 

株価が語る「生き残る会社、生き残れない会社」

 財部誠一(経済ジャーナリスト)

依頼原稿・株価が経営の実態をしっかり表し始めたのは、実はこのころからである。銀行の経営実態は、粉飾された財務諸表を幾ら眺めてもさっぱりわからない。じゃあ、株価だよねという話になって、銀行間の比較をお願いした。半年後の、97年秋には49円と、額面まで割る銀行が続出したのはご存じのとおり。私は「生き残る会社、死ぬ会社」というタイトルを出したのだが、却下された。この表現も、現在ではちっとも過激ではなくなっているのが怖い。

 

エミ・カーベル チケットビジネス繁盛記

 野地秩嘉(ジャーナリスト)

友人から紹介されたカリフォルニア在住のおばさん。ただのおばさんではない。その人脈はシュワルツネッガー、マジック・ジョンソンと幅広く、歴代大統領にすらコネを持っている。


4月号

いま管理職に求められる20の能力

 野中郁次郎vs田中滋

対談・先輩と1月から仕込んでいた「管理職特集」。みなさんのご協力でなんとか形になった。で、私は「コンピテンシー・モデル」についての対談を企画。ちょっと難しいけれど、凝ったおもしろい対談記事になったと思う。

 

戦史を飾る名将たちの部下掌握術

 武岡淳彦(兵法研究家)

依頼原稿・「孫子特集」でそこそこウケたので、また柳の下のドジョウを狙う。まあ、刺身のツマですから。


5月号

だからオペラは面白い

 宮本 亜門

依頼原稿・恋愛特集には絡みたくはなかったが、「オペラ」の記事をやるというのは悲願だった。で、宮本さんに無理矢理頼み込む。あとで聞いた話では、彼は映画のロケハンに行った沖縄から原稿を送信しようとしたが、メールのトラブルで原稿が消えてしまい、みんながビーチで遊んでいる間に25枚の原稿を打ち直したのだそうだ。宮本さーん、ごめんなさーい。聞こえないか。

 

「日本型経済システム」は敗北した!?――有識者アンケート

 一橋大学教授・中谷巌、慶應義塾大学教授・竹中平蔵、富士銀行会長・橋本徹、キッコーマン社長・茂木友三郎

原稿執筆・とにかくアンケートを打ちまくったが、財界人からはさっぱり返ってこなかった。いままで接触したことのない経営者を中心に送ったので当然のことではあるのだが、それよりも日本経済の先行きについて、この時点でも彼らは深刻な懸念を持っていなかったということである。自分でアンケート分析原稿まとめる。

 

日本企業は再びキャッチアップ過程に戻ってしまった

 槙原稔(三菱商事社長)

記事・世界最大の企業の社長と「フォーチュン500」で持ち上げられていた槙原社長にインタビュー。

 

NPOとは市民の利益を守る公益法人である

 神保哲生(日本ビデオニュース社長)

依頼原稿・NPOの紹介記事を掲載するには期が熟していると判断した(が、やっぱりちょっと早かったかもしれない)。しかしNPOがアメリカの自由社会を支えるのに重要な役割を果たしていることを認識するのは、遅ればせながら自由競争を導入しようとする日本にとって非常に重要なことだろう。


6月号

ダメな日本を元気にする12のツボ

 小林陽太郎(富士ゼロックス会長)

記事・小林陽太郎氏が同友会でまとめた提言をわかりやすく紙面展開。

 

わが国の「危機管理」を総括する ペルー大使公邸人質事件の教訓

 佐々淳行

記事・ペルー事件について、ジュネーブ条約などの国際法上の各国の権利についてしっかり論じた数少ない記事。飲み屋で、あきらかにこの記事を読んで議論していると思われるオヤジの会話を聞いてザマミロと思った。しかし、休日を潰して佐々先生に取材したホテルの部屋の領収書が先日、机の奥から出てきて、すごく哀しかった。

 

これがビッグバンという名の日本大改造計画の全貌だ

 池尾和人(慶應義塾大学教授)、竹内文則(長銀総研)、山田厚史(朝日新聞編集委員)

対談・「ビッグバン企画」第1弾。対談のセットだけする。朝日の山田さんは住専をやっていた頃に訪ねていった。竹内さんは、勉強会で知り合った。池尾先生には住専の記事の中にもコメントをいただいている。


7月号

「平成30年」からの警告

 堺屋太一

記事・朝日新聞に連載中の「平成30年」について伺う。


8月号

ニュージーランド「天気晴朗」ヨットで遊ぶ

グラビア・この記事の顛末については他稿に譲るが、私は二度とこの国には行きたくない。

 

「財政投融資改革」にモノ申す

 中西真彦(ベンカン社長)

インタビュー記事・財政投融資改革を議論する大蔵省の隠れ蓑委員会に入った暴れ馬。東商副会頭のたたき上げの中小企業社長である。夏休み明けの委員会に自分でつくった改革案を爆弾提言しようとしているという情報は裏から入手済みである。しかし、東商首脳部からの圧力で、年末には副会頭の座を伊藤園の本庄会長に譲ることになる。嗚呼。

 


連載・月間「経済ニュース」番付  (1997年6月号~11月号)

 ホスト・水木 楊 

 ゲスト・ビートたけし

     田原総一朗

     速水優

     ピーター・タスカ

     伊藤洋一 

     寺島実郎

「お父さんのためのワイドショー講座」を見ていて、「おっ、これパクろう」と思って始めた「月間経済ニュース番付」。当初は、日経新聞論説主幹を辞めたばかりの水木楊さんが、「大日本鍋物研究会」というのを主催しているのをいいことに、鍋料理をつくって食べながら、その月の経済ニュースのベスト10を話し合うという企画で、タイトルも「経済ニュース闇鍋」(鍋奉行:水木楊)だったが、ものの見事に企画倒れに終わった。


 

連載・青春とは何だ!? トップの30代 (1996年8月号~1997年12月号)

 筆者・野地秩嘉

 

飯田亮        セコム会長 

永山武臣       松竹会長

転法輪奏       大阪商船三井船舶会長

佐治敬三       サントリー会長

鳥海巌        丸紅社長

北岡隆        三菱電機社長

川瀬源太郎      日本生命名誉会長 

小林陽太郎       富士ゼロックス会長

日枝久        フジテレビジョン社長

ヘンリー・ウォレス  マツダ社長

藤田田        日本マクドナルド社長

渡辺美佐       渡辺プロダクション会長

清水信次       ライフコーポレーション会長兼社長

成田豊        電通社長

椎名武雄       日本アイ・ビー・エム会長

中坊公平       住宅金融債権管理機構社長

 

「プレジデント」という雑誌は大経営者ばかりが載っている雑誌だという世間の思いこみがあるが、実は社長が一人も載っていない号があったりする。で、そういうのはまずいなあと思い、「何か連載やれ」と言われたときに「じゃあ、経営者インタビュー連載をやろう」と考えた。しかし、単純なインタビューでは連載にならないので、少しひねった。とにかく、野地秩嘉さんと私ともが「会ってみたい」という経営者を厳選しているので、くだらないバカの多い日本の経営者の中でも一番まともな部類の経営者の顔ぶれが並んでいると自負している。とくにインタビューして感銘を受けた経営者として、転法輪奏、藤田田、中坊公平を挙げることができる。彼らは「人物」である。こうした人間がいる限り、日本も捨てたものではない。



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「人間力」エピソード





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