12/26 シエナ
1:00、疲れたのでBARでスパゲティを頼みエスプレッソを飲む。テレビで「MR.BEAN」のクリスマス版をやっていて、見ていて大笑いする。
2:00、メディチ家が1560年につくった城塞FORTEZZA MEDICEAに行く。城塞をぐるっと一周して中に入るが、大しておもしろくはない。建物の一部はジャズ・クラブとして使われている。
それから近くにあるサンドメニコ教会という、カテリーナというシエナ出身の聖女を祭った大きな教会に行く。協会の内部はがらんどうで、祭壇背後の古くさいステンドグラスと、カテリーナの墓が目を引く。
この教会の坂をくだったところにあるCASA DI CATERINAに行く。入り口に最近の法王の像が4つ並んでいて、法王が聖女カテリーナを重視していることを宣伝している。雰囲気の良い礼拝堂がある。
さらに下ったところにある、1246年にできたという泉の覆い屋FONTE BRANDAを見る。泉の中で大きな鯉が悠然と泳いでいる。これでもう大概のものは見ただろう。ひたすら長い坂道を上って市役所前の広場に戻る。
雨も降っているので、5:00ホテルに帰り、明日の電車の時間を聞いて風呂に入ってテレビを見る。こちらのクリスマスのテレビは日本の正月番組と同じで、ほとんど意味のないことをやっているようだ。
7:30、ホテルのフロントで紹介してもらったIL BIONDOというリストランテへジャケットを着て出かける。肉のカルパッチョ、リングイネ、そしてTボーンステーキを頼む。これが食べたくてトスカーナに来たのだ。ワインはもちろんキャンティ・クラシコ。付け合わせのポテトを忘れたので後から頼むと、特急で料理して持ってきてくれた。ちゃんとガーリックが利いている。味もうまくて大変良い店だ。L80000、チップを弾む。
気分がよいので、ホテルの近くで見つけていたアイリッシュ・バーに行き、一杯頼む。L8000と値段はイギリスより高い。カウンターで飲んでいると、MAXという若者が声を掛けてきた。4カ国語を話すという。オーストリアの友人がシュナップスを開けるので飲みに来ないかと誘われる。
別室に行ってみると、7、8人の青年がいる。彼らはシエナの空挺師団の兵士たちである。1人はグラスゴー出身のスコットランド人で、オーストリア人が明日の早朝帰国するので徹夜でお別れ会をやっているらしい。片親がイタリア人なので国籍はイタリアなのだろう。これもヨーロッパ。
実にしっかりした、大変気持ちの良い若者達である。そのうちの一人は日本のアニメファンで、「大友克洋のサインをもらってほしい」と頼まれる。一旦ホテルに戻るが、まだ早いのでバーに戻る。今度はオーストリア・ワインを開けていた。一体どこから酒が出てくるのだろうか。
今度はこのオーストリア人につかまって、「日本のアルファベットをABCに対応させて教えてくれ」とせがまれる。ABCの発音をそのままひらがなで書いても日本語にはならないということを説明するのに30分を費やす。
彼は2年間合気道をやっていたらしく、丹田に気を溜めるというのは中国から来た思想であるなど、正確な知識を持っている。ウィーンでかなり立派な先生についていたようだ。別れを言ってホテルに戻ってみると日付が変わっていた。