メディアは世の中を良くする一番有効的な方法 日本ビデオニュース社長 神保哲生氏 神保 インターネットで、ビデオ・ジャーナリストとして、一応自分の存在意義を示せるようなものっていうのは、まあ今一日2000アクセスぐらいしか出てなくて、露出度は低くてもね、インターネットがなかった今までは、番組作って友達呼んで見るくらいしかなかったんだよ。自主上映みたいなの。 ジャーナリストとしてはね、大衆週刊誌に書くことも、『フォーサイト』や『選択』にかくことも、両方意味があるんだよ。『フォーサイト』や『選択』だと自分として10言いたいことを言える場があったとして、その代わりそこは、じゃあ5万人くらいしかトータルで来てくれないと。でも5万人は自由に来てくれるっていうのに意味があるんだよ、すごく。 それは世の中っていうのはさ、一部のエリートが偉そうなことを言ったって、動きゃしなくって、やっぱり、一人ひとりがほんのちょっと動くと、すごく動くのに、一部の人がすげえ一生懸命に動いても、全体にそれが広がっていく動きには、殆んどならないっていうのが実態だから、ものすごく多くの人をちょっと動かすっていうことが、どう考えても、世の中を良くする、一番やっぱり有効的な方法だからね。 ただジャーナリストとして評価を得るという点については、大衆雑誌的な3しか発表する場しかないっていうのは、非常に辛いわけです。僕は今までは、テレビではあんまりきちんとお話できないから、本にしたりとか、活字にしていた。でもそれはビデオ・ジャーナリストとしては、はっきり言って、駄目なんだね。やっぱりビデオで勝負できるところが欲しかった。
インターネットTV局http://www.videonews.com
運営者 サークルじゃないんだから。
神保 だけど、これは一応パブリックなんだよ。だからその、プライベートにやってるんじゃなくて、世の中の誰でも見られるというところにいってるから、放送と何ら、実際は遜色がない。ただまあ、宣伝もしてないし、パブリシティーに金も掛けてないから、口コミで見ている程度だよね、今のところは。僕はいろんなコラム書いたりする時に、自分のアドレスを方々に宣伝みたいなのをしてるけど。その程度なのね。
で、またポータルにキーワードで引っかかるような程度にしかならないから、あんまり意味はないけど。
60万部とか80万部出てる大衆週刊誌の場合やっぱり、ぼくが10言いたいうちの3しか書けない。じゃあそんなところには書かなくっていいんだっていうふうに考えるのは、むしろそこが驕りなんであって。
10まで本当は言いたいけど。3を80万人に語っていくっていうことは、非常に意味があるんだな。例えばこういう企業モノなんていうのは、岩波の『世界』に書いたらさ、読んでる人たちは、このディテールについては初めて聞くけど、「こんなことはもう当然あるだろう」ということは、知ってる人は知ってる。だから、「また三菱か」みたいな話でしかならない。
それに対して、ちょっとでもそういう要素が、6時の『ニュースの森』なんかに出ればさ、で、視聴者がクジラに感情移入したら、同時に塩田みたいな話が出てきて、そこに三菱の名前が出るか出ないかは別にしても、それだけでも、「ああ、そんなことがあったんだ」って思う人たちがいっぱいいるわけです。
で、そういう意味ではインターネットはすごくありがたい。