社会会計のミッシングリンクは政府部門、じゃあ公会計をやろう!
運営者 今実際にできている公会計システムはその中の一部分である公的セクターの、そのまた一部分である国家財政についてのシミュレーションができるようにしたというものですよね。
桜内 そうです。
運営者 だから、「見える」も何もなくて、桜内さんはその先の先の先まで考えてやってるわけじゃないですか。
桜内 一国経済のあらゆるセクターを社会会計として連結し統合したうえで、財務諸表を作成してみようということです。その中で最もきちんとした数字がなかったのが政府部門なんです。ミッシングリンクというか・・・
運営者 ミッシングリンク(爆)
おかしな話ですよね、税金という最も重要な資源を投入しているのに。
桜内 だから僕は公会計をやろうと思ったんです。そしてその基準が確立されていないのであれば、自分が作ろうと思ったんです。
運営者 なるほど。
桜内 それでロジックを積み重ねて公会計の基準を作っていったのですが、会計士の人でもわかってくれないんですね。どうしてかというと、彼らは企業会計しか見たことがないからです。
人間だれでもそうなのですが、新しいものを初めて見たときに、自分の過去の経験に照らしてしか判断できないものなんです。
運営者 面白い。
桜内 例えば税収とは、収益なのか出資(持分)なのかについて、ロジカルに説明するためには、誰が主権者であるのかとか、説明責任はどうなっているのかについてイチから考えなければならないんです。
運営者 なるほどね、今のお話は企業会計の範疇を超えてるんです。
実は私は一番最初に桜内さんにお目にかかったとき、英文の博士論文を見せていただいて、中身を解説していただいたじゃないですか。その時私は、会計士の皆さんと同じように、今まで見たことのない新しい概念に直面したわけですよ。
しかし考えてみるとこれは可能であるし、これは実現すればものすごい力を持っているだろうし、よくこの人こんなこと考え付いたなあ。よくここまでモデル化できたなあという事は、僕でも理解できたわけです。
桜内 ようやく国際公会計基準とか、日本の地方自治体向けの会計基準に、僕がずっと提唱してきたロジックが入りつつあるんです。
ロジックだから客観的に評価できるはずなんですけど、評価者の心の中にフィルターがあって理解できなかったり、「理解できないから嫌だ」と言う人もいたりで・・・
運営者 地球の周りを宇宙が回っていると思い込んでいる人にとっては、地動説はわかりにくいかもしれませんね(笑)。