「国ナビ」完成! しかも特許取得!
運営者 で、膨大な労力を費やして仕訳パターンができました。それからどうしました?
桜内 次にその仕訳でシミュレーションが出来るようにするソフトの開発が必要でした。
まず政策シナリオに沿って予算科目を検索して見つけて、その数字を変えれば全体の金額がどのように変わるのか見えるようにするわけです。
そして金額がわかったら、その歳入歳出データをソフトにもう一度送り返して、新しい財務諸表を作るんです。このソフトウェアの構造が特許として認められて・・・
運営者 えっ、そうなんですか? どこが?
桜内 特許収入は1円にもなっていないのですが(笑)。国や地方自治体の歳入歳出ベースの予算書のデータを自動処理していくというところだと思うんです。特に、公会計のロジックの中でも重要なところなのですが、損益計算書を作ることが重要なのではなくて、企業会計で言う「株主資本等変動計算書」ですね。
「財源仕訳」と言うのですが、どの財源でどの資産を作ったのか、純資産の部の内部構成を全て仕訳していくという、新しいロジックを導入してるんですけどね。
運営者 損益計算書、バランスシート、キャッシュフロー計算書に続く4枚目の計算書を作ったという話でしたが・・・
桜内 企業会計のソフトで複式処理の仕訳によって作成するのは、実は、損益計算書とバランスシートだけなんです。それらを元に組み替えを行って間接的にキャッシュフロー計算書と株主資本等変動計算書を作成しています。僕は、新しいソフトによって、これらすべての財務諸表を複式処理の仕訳を経て直接自動的に作る仕組みを完成させたということです。
運営者 これは確かに特許に値しますね。
これによって国の実際の予算執行の結果が目に見える形になると。
桜内 「国ナビ」(国家財政ナビゲーションシステム)が完成したということなんです。そして国ナビが実際の国の予算の中で稼働し始めたわけです。
運営者 でもおかしいなぁ、本当はこれは、国が作るべきものなんじゃじゃないんですか?
桜内 ええ、本当は僕はこれは財務省の仕事だと思います。
運営者 じゃあ桜内さん、議員になってからも財務官僚の仕事してるんじゃないですか(笑)。
桜内 そうかもしれませんね。だから、「僕が大蔵省を辞めたんじゃない。大蔵省が大蔵省であることをやめたんだ」くらいに思っています(笑)