部長なら、部内のパソコンを家に持って帰ってもよい
エコノミスト
田代秀敏氏
田代 それでその権力が大きければ大きいほど、立派な人だとみなされるんです。
運営者 うーん、繋がらない。私にはそういう発想は無理です・・・。
田代 孔子の夢も、帝国宰相になることでした。
運営者 そうですね、孔子はただのひねくれものですからそうだと思うのですが、だけど昔は「竹林の七賢」とかいたわけじゃないですか。
田代 あれが評価されているのは日本だけで、中国ではまったく評価されていません。
運営者 あれーっ、そうなんですか。まいったなあ。
田代 歴史のおつまみですよ。
運営者 日本では大人気なんですけどね。「清廉」といったイメージで。
田代 中国人が言うところの「能力」というのは、自分が勤めている国家機関や軍隊や会社の器物を、どれだけ私物化できるのか、その度合いのことなんです。
だから中国で妻に「あなた会社で能力あるわよね?」と聞かれた夫が「うん」と答えたら、妻から「じゃあパソコンを一台持って帰ってきて。子供に使わせるから」ということになるわけです。
運営者 業務上横領じゃないですか。
田代 中国じゃそうじゃないんですよ。中国では、部長が、部内のパソコンを持って帰ることは、全く合法なんです。
運営者 全く合法なんですか?
田代 他の部のパソコンを持って帰ったら違法ですよ。窃盗ですから。
運営者 それはそうでしょうけれど・・・。
田代 ということは、社長になればその会社のすべてを私物化してよろしいということになります。
運営者 なるほど。
田代 総書記になれば、中国のすべてを私物化することができるわけです。
運営者 ということになりますね。江沢民と胡錦涛のムチャクチャな暗闘が伝えられていましたが、バックにそういうことがあるのかなと考えれば、まあわからんでもないなという感じもします。