国有化の時代のアメリカの金融政策は中国がリードする
エコノミスト
田代秀敏氏
田代 権力を操ることですよ。
例えば「中国四大美女」っているじゃないですか。
運営者 西施、王昭君、楊貴妃、貂嬋ですか。
田代 貂嬋は『三国志演義』に登場するからフィクションなんですけれど、みんな政治がらみじゃないですか。祖国を守るために敵国の王を色仕掛けで籠絡させようと献上された西施のように、政治に絡んでこそ中国では美女の価値があるんです。日本のような純粋美女という発想がありません。
運営者 なるほど、「傾城」なんて言い方にも表れてますね。
田代 さっき申し上げたように、美術品でも皇帝が画讃を寄せたからこそ芸術品になるんです。「純粋の美」というのも、中国にはないんですね。
運営者 故宮博物館に行って、北宋汝窯のコレクションを見ましたが、あれらを乾隆帝が持っていたということは関係なしに、そこに美を見出すことができると思うけどなあ・・・。
田代 政治によってこそ中国では価値があるんですよ。唯一例外は、李白や杜甫といった800年前の大詩人たちです。
運営者 彼らは別格なんですか? だって、連中は出世しなかった筆頭じゃないですか?
田代 そう。ところが中国では、詩人だけが皇帝とは別に新しい美を創造することができる存在なんです。
運営者 そういう美の創造があるということはわかっているわけですね。うーん。でもまあ、そういう文化なんだな。