「ニューイヤーコンサート」いかがなものか
池原 冬のヨーロッパ……、暗いな。
T女史 『慮る力』の協力者として名前が載っているTで~す。といっても取材先の紹介を手下にやらせただけなんですが(笑)。
手塚 彼は、次回作の原稿を年末までに書きおえてから遊びに行ったというんだけど、その原稿は今私の手元にあります。押しつけられてしまいました。その挙げ句、彼が遊びに行っている間にサイトに掲載するオペラ対談をしておけと・・。
それでここにいる人たちが既に呑んでいるのは、美少年と新亀と、竜宮城と、後ワインが1本入ってましたけど……。つまり新年早々に酔っ払いのたわごとでオペラ放談をやろうという企画でして・・・。
井上 岡本さんごちそうさま~。
手塚 まあ、それはちょっと後でゆっくり本人と相談しますから(笑)。それで今年の話題というと、なんといっても年頭の小沢征爾のニューイヤーコンサート。朝日新聞でも1面記事ですからね。いかがなもんだったでしょうか。
井上 私観てません。だけどあの記事を書いた朝日新聞の記者さんは知り合いです。
池原 私はあの値段でシュトラウスなんか聴かされるんだったら、オペラを10本ぐらい聴きたいです。
手塚 額面が1万円ちょっとのチケットが、なんと闇で30万円で取引されていて、しかも会場にいた1800人の3分の1が日本人だったと。
T女史 これ、日本人嫌われるよね。記者も聴いてたのかしら。先日の新国立劇場の「ドンカルロ」に行った時は、小泉さんが聴きに来てても、記者なんかいなかったわよ。
手塚 来ていたとしても政治記者だから。でも、総理大臣がオペラを聴きに行くというのは悪いことじゃないよね。イギリスにも昔エドワード・ヒースってロンドン交響楽団を指揮してレコードまで出した首相がいたっけ。
T女史 小泉さんが今年観たオペラって、私全部いっしょに観てるんですけど。「ドンカルロ」の前は半年前にやったメトロポリタンの「サムソンとデリラ」で、その前は2月の藤原歌劇団の「マクベス」。「後ろの方にロマンスグレーが2人いるな」と思ったら、ライオン丸と筑紫哲也。平日だったんだけど、生放送のニュース23がある筑紫哲也も最後まで観ていきましたね。
手塚 Tさんは、小泉さんとカルロス・ゴーンという、日本を代表する改革派の男性二人に仕えたり、趣味があったり、縁があるねー。(注:ゴーンは妻子もちです)
T女史 ちなみに2人とも午年の年男です。ゴーンは今年48歳だけど,マネジメントの経験からいうと30歳ぐらいのときからやってますからね。日本でいうと60代後半っていう感じじゃないかな。
池原 それで言うと、話は飛びますけどアフガンの暫定政権の連中も42、3歳なんだけど、苦労してるせいか年とって見えるね。
手塚 その年だと、日本でいうなら「その辺の若造」だね。明治維新のころの幕末の志士といった感じかな。そういう時代の巡り合わせの人たち……。
この座談は2002年正月に行ったものです。