オペラもビジネス、忍び寄る不良債権の影
ホントはね、みんながチケットを買って来てくれると一番いいんですけど。
池原 ところが、不況の影響で、ワシントンオペラが来ていても全然チケットが売れていないというのが現状ですよね。かつてバブルのころにはすぐに完売していたのに。
井上 これだけ不況になってるんだけど、日本が一度上げちゃった値段は下がりません。
池原 それにあの値段でやっても元取れないですもんね。
手塚 さっき井上さんが言ってたみたいに、5年前の契約金で契約してるわけですから。きっと不良債権化してるんだね。金融機関との間で、「トータルでこの予算でいきましょう」ということで契約書が交わされていると、「それだけお金を集める」ということになちゃってるんだね。それが集められなかったら不良債権になってしまう。
大いなる不良債権だね。多分会場は、タダ券とか招待券で埋めると思うけど・・。
井上 だから直前になったら、私に言ってくれたらチケットが安く手に入るかもしれませんよ。
手塚 これは、今日の最大のインサイダー情報だな。
T女史 それはちょっと、サイトには掲載せずにおいてほしいんだけど(笑)。
だけど、それなら、最近ニューヨークのフライトが往復3万円なんだったら、ニューヨークに行ってみた方が安いかも。
手塚 NYシェラトホテル2泊付で49,800円だったら、東京で引越し公演観るよりそれでMETを観に行った方がよっぽど安いよ。
井上 2、3年前に比べると、METもチケットが残ってますよね。
手塚 なるほど、それはアメリカの中でもバブルが弾けているのかな。
T女史 そう、やっぱりこれが一番如実にわかりますよ。
手塚 ちょっと前までは、ZAGATに出ているような店で、みんなポンポン高いワインを抜いていたんだけど、最近はそれもなくなったみたいだし。
井上 私、ダニエルはまずいと思います。(註:ダニエルはニューヨークZAGATトップのフレンチレストラン)
この座談は2002年正月に行ったものです。