11月4日
学校が終わってからDARIOと飯を食い、帰って洗濯をする。4時、DARIOとビクトリア駅前のキャンパス・トラベルという学生専門の旅行代理店でVICKYと同じスコットランドツアーに申し込むため待ち合わせ。この代理店は、学生旅行専門で、なかなかよくできた店構えと品揃えだが、いかんせん、処理が遅い。幾ら待っても順番が回ってこない。VICKYとの待ち合わせに遅れるので、DARIOを残してチャリング・クロス駅へ。
5時45分、VICKEY LIZ それにブラジル出身バルセロナ在住のフェルナンド22歳と、ウォーター・ルー橋そばのLYCYUM劇場へ。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」の切符を買う。15ポンド。その後劇場横のウェリントンという名のパブで時間を潰して7時45分開演。由緒ある劇場の中央に円形の舞台をしつらえ、背後にも若干の座席を配置して、キリストの裁判をしている法廷の演出。
われわれの座席はこの背後の、セットに組み込まれた座席だった。VICKYに双眼鏡を渡すと喜んでキョロキョロしてしまい、幕間に劇場の人と、ドア係に「きみたち双眼鏡のグループね。あまり動かないでね」と注意される。クオリティ・コントロールになかなか細かい注意が払われていると驚く。
25年も前に、キリスト受難劇をロックに仕上げたロイド・ウェッバーの手腕に再び感動。また、ユダとマクダラのマリアの設定が面白い。舞台自体も完成しきっており、多大な才能の集積を感じ取ることができた。
ユダ役の役者はラテン系らしく、LIZがすっかり惚れ込んでいるのがおかしかった。
10時、舞台がはねて、チャリングクロスで女性たちと分かれる。フェルナンドは「友達を紹介するから来い」という。
工場の駐車場で車の出し入れをやっているという、ぼーっとした風体の彼に「ロンドンで一番いいところにつれていってやる」といわれて半信半疑だったが、ひとまずついていくことに。サウスケンジントンで降りて少し歩くとチェルシーという所に付く。ここは低層のこぎれいなアパートの立ち並ぶ高級住宅街だ。停まっているのもいい車だし、歩いている人はかなりいい格好をしている。
角地に、これみよがしのガラス張りのレストランがあると思ったら、回転寿司である。回転寿司は最新トレンドの超高級料理なのだ。日本に甥がおり、バルセロナですし職人をやっていたこともあるというフェルナンドと一緒に入る。中にいる人も、男は全員タイ着用だし、女性は着飾っている。値段は一皿500円~1000円(4.5ポンド)と、並みではない。
2皿ずつ食べただけで10ポンドずつ取られた。これはべらぼうだ。驚いて店を出る。
そのすぐ近所の、東京でもちょっと見られないほどしゃれたバーの二階が、ロンドン大学で経済学を専攻しているというフィリップの家だ。フィリップは、実にもてそうないい男だ。座って飲んでいけといわれるが、なりがあまりに違うし、店の中には有色人種がいない。ヤッピーのたまり場のハイソなイメージに負けて退散する。
最終電車に乗って12:15帰宅。