11月21日
授業終了後、DARIO、LIZ、NAOKOとロンドンに行く。「レミゼ」を見ようとパレス劇場に行くが、学割は木曜とマチネしかないと言われたので諦める。
「ナショナル・オペラの魔笛を見よう」と提案して劇場に向かうが、「学割はない」と言われる。火曜日の切符も残席わずかで、£5でとんでもない天井桟敷を買う。すごい人気だ。オペラを英語で見るというのが大衆化しているのが面白い。
火曜日を楽しみに劇場を去り、地下鉄でオックスフォード・ストリートへ行ってPALLADIUM劇場でミュージカル「OLIVER!」のきっぶを買う。LIZの提案である。まあいいか。これも連中に合わせて£10の天井桟敷である。
その後、NAOKOが「ロイズ銀行で金を下ろしたい」というので、ビクトリア駅へ行き、そこから一駅地下鉄に乗ってテイトギャラリーへ。ここの素晴らしいターナーのコレクションを堪能する。これは本当に見応えがある。特にイタリアやギリシャを素材にしたものは、当時のイギリス人の心を捉えて離さなかっただろうなと容易に推察される。
そのほか、漱石の『草枕』に出てくるオフィーリアの絵も見ることができた。漱石もこれを見たのか……。しかし、ビアズリーは見ることができなかった。ひょっとして、めぼしい収蔵品は日本のテイトギャラリー展に出張中なのでは。これは悔しい。
地下鉄に乗って中華街へ。中華料理屋で焼きめしを食べる。4人で£15と格安だ。劇場に向かう。とんでもない大劇場の天井桟敷である。「OLIVER!」 これはひどい。私は怒ってしまいました。近代のロンドンを舞台にしたお子様ミュージカルである。なんの脈絡もなく、そこに殺人事件が絡む。ディケンズの原作は有名だが、なんの深みもない話に、なんの深みのない音楽が付いている。同じお子様ミュージカルでもANNYの方が百倍面白い。舞台装置は良くできている。とにかく語るに足りない。まったく面白味が感じられない。
ぶ然としていたが、LIZに「気に入らないのか?」と聞かれてすぐにこにこ顔に戻る。パブを探しにピカデリー、soho、レスター・スクエアを回るが、すごい人だかりで店に入れないうちに、11:00になってすべてのパブが閉まる。なんちゅう街だ。
チャリングクロスから11:22の電車に乗って帰る。LIZは駅前のradio car serviceから車に乗って帰る。駅前の道端で屯していた学校の連中にしばらく付き合ってから帰る。0:30帰宅。