11月24日
授業終了後、LIZとマダム・タッソーへ行くというミケーラと、ホヨンと一緒に電車でチャリングクロスへ。「LIZが待ち合わせに来ない」と言ってカリカリしているミケーラとしばし待つ。イタリア人らしい女性である。LIZが到着して彼女たちを見送ってから一人でバーガーキングで食事。
地下鉄でビクトリアへ行く。イタリア行きの切符を買おうとキャンパストラベルで整理券を取って、うたた寝しながら「ファイナンシャル・タイムス」の山一の記事を読んでいると、DARIOがやって来る。1時間ほど待って順番が回ってくる。
「格安航空券は31歳までと書いてあるが、わたしは32なんだけど大丈夫か?」と聞いた上で、黒人のお姐ちゃんにコースと日程を聞かれて、「学生証を出せ、年はいくつだ」と言うので「だから32だ」というと、「割引はできない」という。アホだ。順番の権利をDARIOにゆずってキャンパストラベルを去る。旅行代理店を探すが、トーマスクックには入る気にならない。国会の夜景を見つつ地下鉄に乗ってレスター・スクエアへ。
映画館に入ったことがないなあと思いつつオデオンを覗いてみる。007の新作か……。席料は3段階に分かれ、£7.5程度と日本より高そうだ。と、MR.BEANの看板が目に付く。待ち合わせまでの暇つぶしにちょうどよい時間なので、切符を買って入る。5つの映画館が入ったシネマコンプレックスの中の50席程度のミニシアターだ。
適当に笑って出てくる。6:20歩いてピカデリーサーカスのそごうへ。30分待っても時事のAさんは来ない。電話すると「山一の件で忙しくて出られない」という。電話代£1かかった。悔しい。
歩いてすぐのsohoのプリンス・エドワード劇場へ。「MARTIN GUERRE」のチケットを学割で買う、£10。「ホントは£35の席ですよ」と、切符売り場のあんちゃんは愛想がいい。この劇場の従業員は総じて若く愛想が良かった。外に出て、サンドイッチを買って歩きながら食べる。7:45劇場に戻る。前から8列目、右端から3番目の席だ。ビノキュラスは必要ない。
これは見る値打ちのある舞台だ。特に舞台を自由自在に動き回る、5つの2階建ての木組みが素晴らしい。どういう仕掛けになっているのだろうか。この木組みが家になったり、教会になったり、裁判所になったりする。一見の価値のある舞台だ。
筋は、フランスでは有名な裁判を、カソリック対プロテスタントの宗教紛争に絡めてつくったらしい。しかし私は「マルタン・ゲール」なんて知らなかったぞ。
迫害されているプロテスタントのマルタン・ゲールが美しい女性と結婚するが戦争にかり出される。戦友に妻の話をするが、マルタン・ゲール本人は撃たれて死んでしまう。戦友はマルタン・ゲールとうりふたつで、彼の考え方に共鳴して彼の田舎に帰ってマルタン・ゲールになりすます。妻は他人と気が付くが、なんだかんだで彼と3年間住み妊娠する。しかし、マルタン・ゲール本人でないことにマルタン・ゲールの叔父が気づき告訴する。裁判をしているところになんと死んだと思っていたマルタン・ゲールが帰ってくる。戦友のほうは7年の禁固を宣告されるが、プロテスタント虐殺のどさくさで殺されてしまう……、メデタシメデタシといった話だ。
プロテスタントのこの国では受ける話なのだろうが、日本人の観客はほとんどいなかった。10:52チャリングクロス発の電車に乗って帰る。駅前で、ホヨン他3人の韓国人がバスを待っているのに会い、バスが来るまで付き合ってから帰る。12:00帰宅。