11月25日
4時間。ホヨンに「日本と韓国の銀行が閉鎖された」と聞かされ驚愕する。
授業終了後、LIZ、アンドレスとロンドンへ。車中、「魔笛に行く」と話すと「俺も行きたい」とアンドレス。劇場に連れていって切符を買わせる。ここでチリの友達に会うというアンドレスと別れ、LIZとピザハットで飯を食べてから裏へ回ってナショナルギャラリーへ。
第1室から順に回りたいというLIZをナビゲーターに丁寧に見て回る。印象深かったのはティツィアーノやテイントレットなどイタリア絵画の充実。ベラスケスもいい。ターナーの汽車。ドガ、ゴッホ、ルノアール、セザンヌの諸作品。常に新しい発見がある。
ボッティチェリ、ラファエロも素晴らしい。そしてフェルメール、これは逸品である。アンドレア・デル・サルトというのを初めて見る。漱石の「猫」で迷亭が言ってたのはこれか。とにかくよくこれだけ集めたものだ。3時間を潰す。
LIZは売店で「テレビ部屋用だ」と言ってポスターを買い込む。とことん買い物好きだ。自宅の電話番号が3つもあるようだし、車も3台あるというので金持ちなのだろう。
5:10LIZと地下鉄でチャンスリー・レーンの駅へ。電話して時事通信のAさんとパブで飲む。ホヨンの話はデマと発覚、一安心する。両替のレートがあまり変わっていないので変だとは思ったが。当局は1ドル=235円程度を目指す意向とか。
6:45COLISEUM劇場に地下鉄で向かうが、あまりに満員なので一本やり過ごす。劇場でDARIOとNAOKOとアンドレスと再会。
7:30イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)「魔笛」開演。ロンドンで一番大きいという劇場が満席である。信じられない。歌手もたいしたことないし、演奏はまったくいただけない。舞台はそこそこきちんとつくられているが、これが人気を博しているというのは本物を知らないとしか言いようがない。
パパゲーノが登場するとき、笛を吹くと鳩が1羽ずつ飛んできて指定の場所にきちんと留まるのが面白かった。全部で5羽。非常によく訓練されている。アリアは皆よく知っており、観客の反応はビビッドだ。夜の女王のアリアは聴かせた。ナショナル・オペラなので英語で上演されるのだが、何を言っているのかさっぱり聞き取れない。LIZもアンドレスも「魔笛」の内容については正確な知識を持っていた。舞台終了後、出演者の一人が「寄付をしてくれ、手紙を書いてくれ」と挨拶する。ENOも台所は火の車なのだ。
10:52チャリングクロス発の電車で帰る。帰路、一人でバスを待っているフェルナンドに会い、一緒にバスを待つ。11:45帰宅。