12/22 ローマ
7:30起床。ホテルで朝食。パンとゆで卵くらいしかなく、ろくなものではない。8:50チェックアウトしてホテルを出発。トリムと地下鉄を乗り継いで中央駅へ。
ユーロスター・イタリアは、本物のユーロスターと同様の高規格車両である。これは大したものだ。座席はほぼ満席である。
10:00、列車は音もなくミラノの中央駅を発車。笑顔が優雅な私の隣人は、上等の服を着た初老の婦人と、孫らしい女の子である。通路を挟んだ隣席の女性は、ちょっとコッポラの娘に似た顔立ちだ。10分も経つと町並みが消えて田園風景になるが、霧が深くて何も見えない。1時間もすると霧が晴れて工場や葡萄畑が広がる。車内放送は、イタリア語、英語、フランス語である。しばらくすると女性が菓子を配りに来る。その後で検札の人がやってきて、「切符はそのまま持ち込まずに駅で時刻の刻印を押してくれ」と言われる。
列車はボローニャを過ぎ、山岳地帯を通過してフィレンツェへ。ここはターミナルなので、今度は列車は前後ろの方向を反対にしてフィレンツェを出発する。
ちょっと車内で寝る。3:00、電車はローマ・テルミニ駅へ到着する。まずインフォメーションを探さなければならない。国鉄のインフォメーションと間違えて並び、人に訊ねてやっとインフォメーションを見つけ、地図とコンサート案内をもらう。
タバッキで1日券を買い、地下鉄でバルベリーニ広場へ。5年前にこの街には一週間いたのでだいたい様子は分かっている。そこからベネト通りを歩いてオックスフォードホテルを探すが、なかなか遠い。これはTAXIに乗るべきだったと後悔する。
4:00、やっとホテルに到着し着替える。パソコンの接続を試みるが、充電が足りず断念する。4:30、フロントで酒屋の場所を教えてもらって歩いて向かう。
TRIMANIというワイン専門店で案内を乞い、白ワイン1本、シャンペン2本を買う。L120000。そこから歩いて共和国広場に向かう。この広場の上空では、数万羽の椋鳥が数個の群れに別れて群舞を演じている。なんか凄い光景だ。多くの人々が立ち止まって見上げている。共和国広場から地下鉄に乗ってフラミニアへ。
ポポロ門を潜ってポポロ広場をかすめティベレ河へ。橋の上でしばし佇んだ後、作家のSさんのお宅を探す。ティベレ河に面した素晴らしい立地である。
いろいろ迷いつつ、ここと思い入った家には中庭があり、人なつっこい太った猫が居る。住居表示を見ても名前が確認できないので弱っていると、旅装の青年がやってきて鍵を開けようとしているので、「この家に日本人の女性は住んでいるか?」と聞くと「Sさんのこと?」と聞き返されたので、さすがSさんはこの辺でも有名なんだなと思いつつ「そうです」と答えると、「私は彼女の息子です」との答え。これにはかなり驚いた。フィレンツェへ兵役延期の手続きに行ったアントニオ君であった。
彼に案内されて3階のSさんのフラットへ。
8:00、リストランテを予約して2人で街に出る。アウグストゥスの廟を見て、スペイン階段を横切る。この辺とファルネーゼ宮の辺りの家は1平米当たり200万円するらしい。リストランテCORSAROへ。
魚を食べさせる店である。イカスミのリングイネが最高にうまい。メインの浅利も非常にうまい。おごっていただく。恐縮する。
10:30、そこからポポロ広場近くのホテルに行って飲む。他に人が居ないので静かでよい。
1:30、Sさんをご自宅までお送りし、ポポロ門の外でTAXIを拾って帰る。TAXIは古代ローマの城壁沿いの道を走る。面白い。深夜料金は5割り増しで、L13000と非常に安い。またパソコン接続を試みるが失敗する。2:30就寝。