「どんぶり勘定」廃すべし
田中 一番根本的な問題として、「どんぶり勘定」というのが全体の問題なわけですよ。つまり、どんぶり勘定を止めればいいわけです。全部を一つのビジネスだと考えずに、一旦バランバランにして考える。
全部一旦、非常に小さい単位でバラバラにして考えてみると。そうした、週刊誌、グルメ、ウェブ、それらを一つずつ考えてみて、「そもそもビジネスになり得るかどうか」を考えないと。
運営者 「編集部門について」という括りじゃなく、もっと細かく分けて考えるわけですか。
田中 そう。最小ビジネス・ユニットみたいにして分けて考えてれば、「自分たちで食える範囲でやればいいじゃないか」、という言い方が出来るわけ。
で、あるユニットはもう、全然採算性が合わないし、なおかつ高齢者の給料が高すぎてとても雇いきれないから、もっと人を減らそうとか。
それから販売部門は、そもそもコストセンターだったかもしれないけれども、それも「自分で食え」と。
ということは、一つの方法というのは、雑誌そのものを作っている方から注文を受けて、会社全体で販売サービスをシェアド・サービスだと考えて、それぞれの雑誌でシェアしてもらって、みんな幾らでそのサービスを買うかということで、販売部門を一つのビジネスに出来るかどうかを考えていく。
それで社内で相手にされなかったら、結局それは人が居過ぎるとか、効率が悪いとか、付加価値がないとか、そういうことなんだから、もう止めちゃうか、どうしても何か必要だったらアウトソースするか、あるいは逆に、どうしても今のその人数とか体制を価値があると思うんだったら、他の会社の販売も扱うなりなんなりして効率を上げればよい。
運営者 分解するわけですね、サービスとして。
田中 というふうに、みんなそれぞれ自分の商売として成り立たせればいい。それで成り立った範囲で報酬も貰えばいい、というふうに切り刻んでいくというのが、まず最初に。これは実際やるかどうかは別としてですよ。やっぱりどうしても考えてみなくちゃいけない。
そういうふうに一旦切り刻んでみると、成り立つものと成り立たないものとか、そもそもあり方をまったく変えなきゃいけないようなユニットとか、いろいろなのが出てきますよ。そういうふうにして、「まずみんな自分で独立して身を立てなさい」と、いうふうな考え方を一旦みんなで考えてみてもらうところが、多分出発点でしょうね。