ビジネス・ユニットの区分けは難しい(2)
運営者 ですから、最近流行っているのは、週刊誌の部署で、連載ネタの本は作っちゃうと。でもその理由っていうのは、そこのところの区分けをはっきりさせるのが目的ではなくて、「もっとお前ら稼げ」っていう、上からの押し付けでやってるわけです。
田中 でも、もしそれを一つのビジネスとして見たほうがいいんだとすれば、つまりある一つのネタから、週刊誌というメディアでみる、単行本というメディアでみる。で、それは単にメディアの違いだけで、一つのビジネスだというふうに見たほうがいいっていうんだったら、一緒と考えればいいし。
もしかすると、メディアで分けること自身が、今までの見方であって、そういう区分けは良くないということはあるかもしれない。
運営者 みんな部門別に見ちゃう見方がもう染み付いちゃってるんですけれど、それはおかしいわけですね。
田中 かも知れないですね。僕は全然わかんないから何とも言えないけども、少なくとも、一つのネタを仕入れて、それが加工されて、それで売られるっていうような、そういうビジネスのプロセスであれば、まあ一つのビジネスと考えたほうがいいかも知れないし。
運営者 結局こういうことなんですよね。例えばこのグルメ雑誌を取ってみても、ここで得られたコンテンツっていうのが、ウエブにも活かされるし書籍にも活かされるし。そしてこれをサポートしてるのが販売であり、広告営業なわけです。
田中 だから、そういう区分がもし価値があるんだとすれば、それで分けてみて。
そうすると今度は、あるグルメに関する情報を追って、そのコンテンツ、ネタが、これからはどのメディア、ウェブなのか単行本なのか雑誌なのか、どのメディアに優先順位を置くのか戦略を立てて、どれだけ経費を投入しながら、どういうバランスでやってたらいいのかっていうのは、一体で考えなきゃ。
そして分け方の最適解がないんだっていう話だったら、それを一つのビジネスと考えて、やったほうがいいですね。
運営者 だから、その中で「必要とされる仕事っていうのは、こういうのがあります。しかし、仕事の中身、報酬はいちいち違いますよ」ということをまた、はっきりつくっておかなきゃいけないということですね。そんなものがある出版社というのは、僕は聞いたことがないですね。いや、どこかのコンサル会社で、たしか某公開会社の職務分掌表を見たことがありますが……。
田中 今の話を聞いてると、やっぱり雑誌とか書籍という、そういう形態で分かれていて、その区分けが果たして意味があるかどうかっていうのが、はっきりしないようですね。