多くの凡人が成果を上げるための「フレームワーク」
織田 聡氏
運営者 織田さんは戦略コンサルをやって来られたんですが、日本企業の戦略転換の基準というのは、変化してきていますでしょうかね?
織田 そもそも、戦略がなかったんですよ。
運営者 (笑) ということは、戦略を作ることが多かったわけですか。社内でインタビューをして、「こちらのほうに行けばいいですよ」と。
織田 そうですね、その会社の中で議論したうえで既に確固たる戦略が決まってる会社であれば、「戦略変更をどうするか」という問題も起きるのですが、そういう会社自体が少ないですよ。
そういう会社であれば、すでに社内に戦略を考えるOSができているわけですから、コンサルティング会社に頼まないかもしれないし。それがないから外部に頼んでくるというところが多いのではないでしょうか。
運営者 コンサルタントが持っているそういう戦略ってパターンがありますよね。
織田 ありますよ。
運営者 それって、勉強しようと思ったら、勉強して身につけられるものですよね。
織田 まったく後天的なものですからね。
そもそも、ロジックとかセオリーとは何かというと、天才でなくても、再現性があって同じような成果を出せるようにするための道具だと思うんです。
運営者 ということは、状況が同じであれば、だれであっても同じ結論にたどり着くわけですよね。
織田 あえて誤解を恐れずに言えば、良いクオリティーの成果を出すためのツールが、ロジックなりセオリーだと思うんです。
例えば、野球のバッティングにしてもセオリーがあるわけです。でも、天才はセオリーがなくても打てるんですよ。動物的な直感で打ってますから。だけど、凡人の多くは例えば「ひじの角度をどうすればいいか」とか、「軸足をどちらに置くべきか」とか、そういう論理を学ぶわけです。
運営者 ゴルフ雑誌に載っていて、おじさんたちが一所懸命勉強してるやつですね。
織田 そう。そうすることによって地力をどんどん上げていくわけです。
戦略コンサルティングも一緒で、天才経営者であれば、もう直感的に答えを出せるわけです。だけど、多くの人はそうじゃない。多くの凡人が成果を上げるために、フレームワークといったものがあるわけです。
運営者 しかしですね、本来はそこのところが分かってる人間だけが経営者になるとか、経営判断するべき立場に上っていくべきなのではないでしょうか。