考えがないから、従来のやり方で突き進む
織田 聡氏
運営者 「どうしてこの人たちは気が早かったり、表層的だったりするんだろう」と不思議に思ったんですが、それは原因は全く同じところにあるんですよ。
つまり、全然考えがないんですね(笑)。
それに気がつくのに僕は時間がかかったんです。「あー、なーんだ、何も考えていないんじゃないか」。
考えがないから、「とにかくやればいいんだろう」と思っているし、考えがないのでとにかく同じことを繰り返してしまう。コンセプトの進化がないんです。
織田 そういう人たちとの闘いは虚しいですよね。
運営者 (爆) でも織田さんは、そういう人をどうやって見破ったんですか。僕は相手がそういう奴だというのをなかなか見破れなくて戸惑ったんですけれど。
織田 そういう人は、違った質問を投げかけてみても、同じ答えしか返ってこないんですよ。
運営者 なるほど、言われてみれば全くそのとおりですね。
織田 マインドセットが一方向にしかないから、違った質問が来ても同じものしか返せないんです。
そういう人たちに限って、答えが長いわけです。接続詞のオンパレードで、ワンセンテンスが長い。長いんだけれども何も言っていない。一知半解の言葉だけ並べるんですけれど、まったく中身がないんです。
考えている人間のほうが答えが簡潔ですね。
運営者 考えてる人の答えは簡潔なんだけれど、頭の悪い奴が聞いたら冷たく聞こえるということはありますよね(笑)。
そういうことですか、恐れ入りました。とにかく考えがないんだけれど、今までのやり方で突き進むことしかできない人たちなんです。猪突猛進型ですね。そうすると、新しいやり方を開発することができないんですよ。
気のきいた上司であれば、「結論から話せ」とか、「エレベータに行くまでの間に話せ」なんて言って部下を訓練してますよね。
織田 国防総省のエレベーター・ブリーフィングですね。
運営者 顧客志向性、これに関してはどうですかね。いいかげんお客さんをないがしろにしていると思いますけれど。
織田 「自分たちがお客さんをないがしろにしている」とは思っていないんですよ。「自分たちは一応お客さんを大事にしている」という思い込みがあるんです。
運営者 一応の仕事をやっただけでは、お客さんの満足は得られないんですけどね。
そうじゃなくて、プラスアルファの部分ができているかどうかが問題なのですが、どうすれば「そこの部分が一番大切なんだ」ということを、わかっていない人に納得してもらうことができるでしょうか?