運営者 わかります。そうすると伺いたいのは、東京というのはそうした継続的な放射性物質吸引の危険性のあるところなんでしょうか?
木下 まちがいなくそうでしょうね。
なぜならば東京で放射性物質を含んだものを焼却しているのも含めて、確実に放射性物質がある。飲料水についても、測定下限値以下ではあるけれども、確実に放射性物質があるんです。ゼロじゃない。また水溶性の放射性物質は検知できません。
そのごく微量の放射性物質を体内に摂取し続けたら一体どうなるかという研究結果なんかないんですから。
だっげらいよん4コマ漫画ブログ しばざきとしえ作そうすると東京の空気を吸い続ける、東京の飲料水を飲み続けた場合、数ヶ月だったらまあ大丈夫だろうと思いますが、数年住み続けたらどうでしょうかと言われたら、これは無理だろうなと思いますね。
何年かと言ったら、化学物質での研究も考えあわせて、感覚的な物言いですが、3年位が限度じゃないのかなと。
……で、もう3年たったわけです。微妙な影響が出てきてもおかしくありません。だけどそれはとっても微妙な変化なんです。
しかしこれが6年経ち、9年経つと、事態は深刻化してくるはずです。放射性物質を恒常的に吸入することによって、もっと明確な血液の疾患が起こりうるし、免疫力が落ちるので感染症も流行るでしょう。そういう事態だと僕は見ています。
最近、原因不明とされる川崎病が首都圏で増えているのですが、そういったファクターも考え合わせなければならない話だと思いますね。
運営者 なるほど。常に放射性物質を取り込むところに住んでいるという事は、疾患にかかるリスクを抱え続けているということなんでしょうね。
木下 ウクライナではDNA分析をやっているのですが、一部には放射性物質に強い人もいます。そういう人は被曝を繰り返すことによって免疫力が上がるという事は否定できないかもしれません。ごく一部の人は「ネオ日本人」に進化するかもしれませんね。それは僕にはわかりません。
でも、ほとんどの人は放射性物質の影響を強く受けます。そういう人が長期間住んでいると、すぐ死にはしませんが、いろんな原因でバタバタ倒れることになるでしょう。
運営者 困りましたね。
木下 それで日本のメディアは、少数の人が被害を被ることについては、目をつぶるという事はありがちなんです。それについては僕自身も有罪だと思っています。だけど少数の人の利害を、多数よりも優先してしまうと、世の中何もできなくなっちゃうんですよ。
でも今回の話はそれと何が違うかというと、多数の人たちに放射能の被害が及ぶかもしれないということです。しかもそれが首都圏で起きるかもしれない。メディアにとっては自分たちが被害者になるかもしれないのに、いつまでたってもそれに正面から向き合おうとしないんです。
例えば、「首都圏の健康被害」というキーワードを避けたり、放射線健康被害について検査している医師を取材しても、全くその取材成果を流さなかったり。一体何のために取材をしてるんだか……。
運営者 そりゃ、いつものパターンじゃないですか。先に取材をしておいて、何かがあったときに流すわけですから。
木下 違うんですよ。医師にインタビューしてみて、そこまで踏み込んだ番組内容にするかどうか考えてみると、誰も踏み込むことができなかったということなんです。