運営者 そうするとね、食品の汚染が思ったよりも軽微である事は喜ばしいことなのですが、福島は日本でも有数の農業県ですよ。農水省はジャニタレを使って「食べて応援」キャンペーンをやってるし、郡山市は農水産物販売キャンペーンを大々的にやってるし。
いかに汚染度が低いといっても、これを放置しておいて良いのでしょうか?
木下 だめだと思いますよ。
運営者 そうすると、福島第一原発事故のような環境への放射能の大量放出のような過酷事故が起きた場合に、政府が本来行うべきであった対策は、なんなんでしょうか?
木下 汚染された地域では農作物を作ることができないので、農業をやめるのであれば補償するし、できれば西日本に代替地を用意して移転してもらうということでしょう。
運営者 西日本にも休耕地がたくさんありますよ。
木下 漁業のほうは、今の網にかかった魚が安全であったとしても、次の網にかかる魚が安全だとは限らないんですよ。獲るべきではありません。
運営者 全量検査はできませんよね。そうすると獲ってはいけないので廃業するしかないと。
木下 補償するしかないでしょうね。
だっげらいよん4コマ漫画ブログ しばざきとしえ作運営者 本来はそうだと、僕も思います。
だけど現状は、それを「地域経済を維持する」ということで、農水産業を行って、「食べて応援」で全国に放射性物質を拡散してるということについてはどう評価するべきだと思いますか?
木下 論外なことです。ただしチェルノブイリでもそのようなことをしていました。チェルノブイリ周辺は、日本のように流通網が発達していませんから、地場のエリアでしか農産物が主に消費されないんです。安全なエリアには、汚染地でとれた農作物は多くは出回らない。
だから食品による被曝と吸気被曝は、大体汚染エリアで起こっているわけです。
運営者 そうすると、その地域の危険性はさらに高まりますね。
木下 逆に日本の場合は、「汚染地域の危険性をみんなで分担しよう」という形になっていて、その発想がかなり危険です。
運営者 放射性物質に関して言うと、分散したり拡散してはならないというのが国際的な常識ですよね。
それに反して日本では平気で分散していて、それに反対するとめちゃくちゃに叩かれるんですけれど、その象徴的な話だったのが、菅政権の時に細野環境大臣がごり押しした放射性瓦礫の全国拡散政策です。