運営者 次に、放射能の危険性について過小評価する言説を主張する安全厨という皆さんがいらっしゃいます。木下さんは彼らについてはどう思いますか?
木下 彼ら自身が、そうしたことを考えているということについては別に何とも思いません。
運営者 木下さんは、安全厨たちの反感リストの1位に載っていると思いますけど。
木下 僕は、安全説を唱える人たちについて、何とも思ってないというのが本当のところなんです。
安全説を唱えている人の中で影響力が大きいのは、政府に近い立場で発言を続けている学者の皆さんですよね。
運営者 御用学者ですよ。
木下 いや、「御用」というけれど、それは彼らが自分の人生としてやってることなわけですから、何とも思ってません。ただ、彼らはこれまで政府の原子力政策に関わり続けてきた人なわけだから、はっきり言って、本来は発言権はないんですよ。
運営者 そりゃそうですよね、「原発は五重の壁で絶対安全、爆発しない、メルトダウンは有り得ない」と言い張ってきた利害関係者本人たちなんだから。
いまは「プルトニウムは食べても安全」と言ってるし。
だっげらいよん4コマ漫画ブログ しばざきとしえ作木下 だからその利害関係者が未だに発言を続けていること自体が、日本というのはおかしな国だなあと思い続けていて、僕が思っているのはそれ以上でも以下でもありません。
また彼らは、「原子力発電は安全である」という宣伝のパブリシティーだけに徹して、「放射能は危険だ」という言説の存在を認めようとしないところはとても問題だと思います。なおかつそれを体制側に近い公的な立場で、コンファームし続けている構造そのものがおかしいんです。
運営者 そういう構造になっちゃってますよ。審議会行政で、推進側に加担して、おカネをもらうのが習い性になってるし。
木下 彼らが、「原子力発電は安全だ」ということを一般人で主張しているのであれば、それはわれわれとの見解の相違ということでしかありません。だけど彼らは、自分たちの肩書きを使って、政府や地方自治体などの公的な機関とリンケージした状態で、自分たちにコスト負担がなく、むしろ体制側から原発マネーでお金をもらっている状態で「原発は安全だ」と宣伝し続けているわけです。
一方で、「原子力発電は危険だ」と言っている人たちはふつうの市民で、自分たちの手弁当で活動しています。
この二者の状況をフラットに見て、あなたはどちらを信用しますかといった段階で、この話は簡単に決着が着くと思います。
運営者 片方は、推進側からたっぷりお金もらってるんですからねえ。
すごく不思議なんだけど、日本人は利益相反についての理解が乏しいんですよ。「お手盛り」に対する怒りがない。「こんなの宣伝じゃん」という拒否感を持たない。
だから本来であれば引きずり下ろされているべき悪の張本人が、平気でお天道様の下に出て来て宣伝を続けていたりします。納税者としてはいい面の皮ですよ。