運営者 食べ物から摂取した放射性物質の排出についてはどういう対策が考えられますか?
木下 確かにビタミンCは摂った方が良いですよ。それから、りんごに入っているアップルペクチンも、何かヤバそうなものを食べたときに多少摂っても良いかもしれません。
だけどそんなものが決定的に効くわけがないんだから、せいぜい気休め程度ですよ。栄養ドリンクを飲むのと同じようなことだと思います。だから栄養ドリンクを飲む程度のコスト負担であれば飲んでもいいけれど、それ以上高いのであれば、コストをかける値打ちはないと思います。
そういうバランス感覚をなぜ持つことができないのか、私には理解できませんね。それよりも、汚染地を離れることの方がはるかにいいです。
運営者 はい、その通りだと思います。文句はありません。
それから放射能に対する恐怖を言う連中の中に、宗教というのがあります。放射能防御プロジェクトの集まりにも、盛んに出没して活動していました。こいつらについては最近はどうでしょうか?
木下 露骨にいちばん近づいてきたのは顕正会でしょうね。実際に放射能をどのように勧誘に使っていたかという事は僕らも確認できていないのでわかりませんが、ありとあらゆる方法でわれわれに近づいてきて、僕の講演会でも「チラシを配らせてくれ」と言ってきたので徹底的に拒否したら、最近は何も言ってこなくなりました。そういう事象が1年以上続いたことはまちがいないですね。
運営者 彼らがなぜ放射能防御プロジェクトに近づいてくるかというと、放射能に過敏になっている人や避難してきた人たちは、心が弱っているから、宗教に勧誘しやすい人たちが固まっている、そういう匂いを嗅ぎつけてのことなんじゃないですかね。
木下 そうですよ。
それともう一つ言える事は、カルト問題を扱っている紀藤弁護士の事務方の人と話したのですが、カルトの信者の中には放射能を怖がってる人たちが多いんですよ。そういう意味で、放射能を忌避しているわれわれとは、同じ構造の中にいるわけですから、シンクロしている感覚が彼らにはあるんです。原発を拒否している宗教も少なくありません。だからこちらを取り込もうとして来ているだけでは無いのだと思いますよ。シンパだと思ってるんですよ。
運営者 あんまりこちらは仲良くしたくないのですが。
木下 めんどくさいんですよ。彼らの相手をする時間はわれわれにはないんです。