条件3. こざっぱりした印象、見映えの良さは基本
小峰 尚
運営者 他に外資系企業転職のための条件ってありますか。「明日のために、その1」。
小峰 プロフェッショナル意識があって、人が明るくて。……あとはやっぱり印象ね。こざっぱりした印象とかね。
われわれは、まず書類選考から一つのポストに対して、最低でも10人ぐらいは人を集めて紹介するわけですよ。そのうち、面接に行けるのは4、5人だというのがだいたいこういう世界のステップなんです。
運営者 じゃあ、僕なんか面接まで行ったということは、結構認められたんですか。
小峰 だから、そこは見映えの競争率が、10人に対して5人ぐらいだと。
運営者 僕はその先行って、「香港からガイジンが来るから会ってくれ」ということでしたよ。めんどくさいから断りましたが。
小峰 じゃあ、それはもう最終。
運営者 それ最終なんですか。怖いものがありますね。
小峰 最終面接。それはもう、本当に1人か2人ですよ。海外まで行ったり、あるいは海外から人が来たりと。
運営者 本当に? もっと威張れば良かった(笑)。
小峰 その時に、要するに面接の時間ってせいぜい小一時間でしょう。その時の印象で決まっちゃうわけですよ、人生が。そうするとやっぱり、パッとドアを開けて入って来た時の笑顔、表情からもうスタートしてるわけですよ。
運営者 だけど、そこがまた面白いのは、僕はそれは当然だと思うんですよ。演技出来なきゃ駄目でしょう。要は、さっき小峰さんがおっしゃったように、見栄えが良い感じを作れればいいわけでしょう。「ああ、この人はなんかやる気もありそうで、信頼できそうだな」っていうのがあるじゃないですか。「こいつとだったら組めそうだな」っていうのが。それはどこから始まるかと言ったら、ファースト・インプレッションから始まるに決まってるじゃないですか。
小峰 それはそうですね。だから逆にやっぱり、そういうアピアランスの悪い人は、面接にも送り込めないとなると、書類も提出できませんよ。この間たまたま、相当立派な人なんだけど、ちょっと見た目が弱々しい人のケースがあったんですよ。「人を外観で判断しちゃいけない」とそこのところをあえて目をつぶって、書類を出したんです。そしたら書類を見ると立派だから、「是非会いたい」となっちゃうじゃない。それで期待だけを高めておいて、会ってみたら、「何なんだ」と。
だからそういうのはちゃんと一言、どう書くのか知らないけど、「ちょっと話しただけじゃ、この人の良さはわからない」みたいなね(笑)。そういう一言をいれておかないといけないと。
運営者 苦労しますね。
小峰 確かに僕も会った時、その人からエネルギッシュなそういう感じが伝わってこなかったんだけども。まあ、芯はしっかりしている人なんだと思いますけどね(笑)。
運営者 難しいですね。