ジャーナリストとライターの違いは何か
運営者 報道・情報系の番組や活字では職業区分はどうなるんですか。
三神 先ほどの「記者」は放送原稿の記者でしたが、いわゆる新聞や雑誌の世界でいう記者、それとライター、ルポライター、ノンフィクション作家、ジャーナリスト・・・ジャーナリストの中にも分野限定のフードジャーナリストや、コスメジャーナリストといった肩書きが日本ではあります。それからコメンテーター、解説者、評論家。
それぞれの職業名の定義はやはり不鮮明なんですが、なんとなくこんな棲み分けになっているかなと思うのは、ライターの場合は広告タイアップ記事も書きます。
ジャーナリストは広告タイアップ記事はやりません。ノンフィクション作家は、ノンフィクションという言葉と作家性を連想させる言葉が並んでいるのは矛盾があっておかしい、という指摘をしている人もいますが、ノンフィクション作家とジャーナリストを比べてみるとジャーナリストは速報性と情報のタイミングを重視していて、ノンフィクション作家は特定のテーマを事後的に長文で論考することを重視して単行本の著書がある、という自己意識の問題のようです。
著書がないか比較的短い文章のパッケージが主軸になる場合はノンフィクションライターと名乗る。ルポライターは主語が自分になり取材現場にいる自分からの報告、という、取材記やレポーター的な筆致で表現するジャンルに特化しています。
この流れでいくと、フードジャーナリスト、コスメジャーナリストといった役職名は、実際はフードライター、コスメライターが正しい。広告タイアップ記事に近いものも書くからです。
広告に自らも出てしまう場合は、コメント内容のコントロールをスポンサー企業が行うため、タレントの範疇に移った、ということになる。
こんな感じでしょうか。確たる定義があるわけではないので最大公約数的な整理ですが。
運営者 どうやらこれは面白い定義ですね。当たってると思いますよ。