リーダーは「士」たれ
運営者 今やっていることに疑問を感じて、「これではいけない」とみんなを説得して、変えていくのがリーダーの役割ですよね。
瀬口 99人が「もうこれでいいんだ」と言ってあきらめても、1人だけでも「俺はやるんだ」といって戦うのが「士」ですよ。
運営者 そういう人がリーダーでなければ、世の中がおかしな方向に向かっていっても止めることができないですよね。
瀬口 だから本当に今の中央省庁や、地方政府の役人に、そのような気概があるかということです、。
運営者 私の知る限りあまりないと思いますね。
そういう人は辞めてしまうか、深く潜行しているか、組織の中で危ない綱渡りをやって対抗勢力と闘っているか、だけどそういう人たちはほんのごくわずかですよ。そういう人たちはそもそも、主流派意識を持つことができないですから。「寄らば大樹の陰」という発想で役所に入っている人からはほど遠い存在なんですよね。
瀬口 そういう気概のない人間が、力のある役職についていっていいでのしょうか。そこを考えて欲しい。
運営者 ところが彼らの言い分としては、「われわれは法律に従って中立的に行政執行を行う立場です。高度で政治的な判断については大臣あるいは副大臣が行うことになっているんです。また責任を取る立場の人というのも、大臣または副大臣に限られています」といいわけしますよね。
瀬口 だけどそれはやっぱりいいわけに過ぎませんよね。
明治維新のころは、官僚たちは自分たちの志で日本を動かしていたわけです。戦後も実際そういう役割を果してきました。現在の官僚をたちもそうした発想の下で働いているはずです。では今の官僚がれにふさわしい気概を受け継いでいるのかというところが問題ですね。
運営者 どこかで曲がったんでしょうね。