パブリックマインドを持つ人を顕在化させる法
瀬口 みんなたまたま目の前におやじの会のようなものがあると見にいらっしゃるわけです。それで「防災訓練をやりますよ」と学校でビラをまくと、みんな来ますよ。その時におやじの会というのがあることがわかると、「こういうのやってるんですか、僕も入れてください」という話になります。そうやってじわじわ増えてくるんです。
運営者 金平糖の核のようなものですね。その回りにいろいろなものがくっついてくるという。
瀬口 そのとおり。そういう役割をおやじの会が果しているので、そのようにして潜在的にパブリックマインドを持っている人たちを顕在化させていくことができるわけです。
運営者 なあるほど。今まではそういうこともやっていなかったわけですね。
瀬口 これまではやっぱり、あまり学校のことに首を突っ込んでいたりすると、ヒマなんじゃないかと思われたり、そういう見栄もあったんでしょう。しかしあまりにも教育が荒廃して学校がすさんでいるので、「これではいけない」ということで立ち上がる人が増えていて、お父さんたちは最近学校に来ることに抵抗がなくなっているようです。
僕らは「会社を休んで保護者会(PTA)にいこう」という運動をやっています。PTAは普段平日の午後になっていますから、先生とお母さんしかいないわけです。そこにお父さんが会社を休んでいこうという呼びかけです。
僕自身は今、杉並区教育委員会の区立学校適正規模検討委員会の委員をやっていますので、年に5、6回は会社を休んでそういう会合にも出席しています。
運営者 うーん。ということは、パブリックマインドを持っている人間は、立ち上がって周囲の人に呼びかけることによって、自分たちの周りに仲間を増やすことができるということですね。
瀬口 例えば、今回の防災訓練の時でも、放っておいたら来ない人に対しても、子供同士がお互いの家に出入りしているお父さん同士であれば、「○○君のお父さんも防災訓練に来ない?」って呼びかけあったりして、参加者が増えてくるんです。
運営者 確かに。子供同士が友達の場合、親も仲良くなりますよね。