メンバー間の相互信頼感が絶対条件
瀬口 班長は自分の班の仕事がうまくいっているかとか、他の班との連携がうまくいくかに関してかなり一所懸命気をつかっていますが、最高責任者の下にそういう人が数人いれば、PTAだと何十人がかりでやらなければならないようなことでもサッとできるんです。結局それはお父さんたちが自由にやってるからできることなんです。
運営者 それに、お父さんたちは組織の中でどのように立ち回ればいいかということをよく知っていますからね。
瀬口 そのセンスを使えばいいんですよ。ところが「まずきちんとした実行委員会組織をつくろう」というところから入っていくからうまくいかなくなっちゃうんですよ。PTA活動だと、どうしても役割をやらされるという感じがあるんですよね。それに対しておやじの会は、自らやりたいと思う人が自由に柔軟に対応するというのが前提です。
そして「いざとなったら何とかなるよ」という安心感があればいいんです。それを保証してくれる絶対条件は、メンバー間の相互信頼感です。これがないとうまくいかないでしょうね。「あいつがやっているのなら大丈夫だろう」という。
運営者 それと各人が自立していて、物事を判断する力を持っていて、責任感をもって実行する力があるということでしょうね。
瀬口 判断力と決断力というのは、みんなものを任されたら、ちゃんとやりますよ。しかもみんな自立的に参加している、パブリックマインドを持った人たちばかりですからね。そういう意味ではみんなどんどん自分から動きますよ。
運営者 本来組織というのはそのようなものであるはずなのに、いつのまにかそこにぶら下がろうとしてくる人たちが出てくるから、会社というのはおかしくなってしまうんですよ。
瀬口 それから責任者が、自主的な提案があったときに「それでいいじゃないか」と・・・。
運営者 認めてあげるということですね。
瀬口 言い出しっぺにやらせてあげるということが大切です。花火をやりたい人もいれば、お好み焼きをパーティーをやりたい人もいるわけで、どんどんやってもらえばいい。リーダーとサブリーダーの3人くらいで1つの行事はできますから、いろいろな行事をやっているうちに、「そろそろ俺も何かやらないといけないかなあ」とみんな思い始めますよ。