自発的にやるから創意工夫が働くし楽しい
瀬口 そうすると僕の役割は、1つのチームを作ろうとするときに、どうしても手が足りないというケースがあるじゃないですか。例えばお好み焼きパーティーをやる総責任者はいます。だけどその時に材料を買うとか、会場の設定をするとか、サポーターがどうしても必要です。どうしても手が足りない場合に、「じゃああなたやりませんか」と声をかけてあげることくらいです。
でも基本的にはみんなチャンスがあれば「自分もやってみよう」と思っている人たちですから。言い出しっぺがリーダーになって、やりたい人がサポートするというふうに自然にチームが形成されるようです。
運営者 そうしたコミュニティへの奉仕が文化として根づけば、子供たちがそれを見ていて、「地域活動というのは自発的に参加するものなんだな」と意識づけられるでしょう。
瀬口 自発的にやるから、創意工夫が働いて、みんな盛り上がるんです。いやいややるわけではない。人に言われてやるのではなく、自分が発案してやっていますから、人に喜ばれたときにこちら側の喜びもひとしおです。
運営者 そういう気持ちは、子供にも伝わるものでしょうか。
瀬口 それは伝わりますよ、親が人から感謝されている姿を見るわけですから。
焼きそばパーティーで、お父さんが焼きそばの作り方をみんなに説明して、各テーブルを回って調理方法を指導しますよね。そうすると、みんなから「美味しかったですよ、ありがとうございました」と言われます。感謝されてお父さんがうれしそうな顔をしているのを、子供も横で見ていますからね。
運営者 やっぱり、組織のリーダーというのはそもそもそのような存在だと思うんですけどね。
瀬口 そう、社会のリーダはそうやって生まれるものなんです。
運営者 なるほどね。最近、「偉い」ってどういうことなのかなと考えるんです。たとえば今日だって、リーダーについて話していたのに、「偉い」という語彙は出てきませんでしたよね。