志の高い経営者の支援
瀬口 もう一つのきっかけは、去年の夏(8月下旬)に、僕がサポートしていた経営塾にお招きして伺った フューチャーシステムコンサルティングの金丸恭文社長のご高話でした。金丸さんは「大きな企業にいたら、自分の好きなことができないよ。大企業は大きな資本力を持っているからやれることは大きいけれど、目的が組織によって決められていて、何をやるにも組織内部の調整コストが非常に大きいので思ったことはできない。
もし東芝と日立の冷蔵庫のプロが、本当に自分たちでやりたいと思うことをやろうとするのであれば、どうせ冷蔵庫をやっているチームなんて数人なんだから、彼らが両方の会社を抜け出して、一緒に自分たちの好きな冷蔵庫を設計し、外部に製造委託すれば世界一の冷蔵庫ができるはずだ。そういう発想でないと、自分のやりたいことは実現できないよ」とおっしゃったんです。
それを聞いて僕は、「日銀を動かして日本のために貢献しようと思っていたけれど、どんなにやっても構造改革は前進しないし、なかなか物事は動かないな。どうすればいいのかな」と考えていたんです。それから3日後の朝に、出勤途中の丸の内線の中で、「そうかあ、教育と地方自治に関するシンクタンクを自分で作れば、金丸さんが言っていたことに対する解になりうるな」と思いついたんです。
さらに12月に、経済同友会代表幹事で富士ゼロックス会長の小林陽太郎様が若手のそういう活動であれば応援をしてくださるということを伺い、今年の2月に事務局長を引き受けてくれる人も見つかりました。そこで「よしやろうか」ということで2月から企画立案をはじめて、5月にNPOの申請を行い、8月30日に設立が認可されました。